葉田甲太 ブログ。

医師 NPOあおぞら代表 5万人の命を守るタンザニア病院建設まで。

病院建設プロジェクト再始動。 2017年3月30日

 

 

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20歳の時に、「150万円でカンボジアに小学校が建ちます。」と偶然渋谷の郵便局でパンフレットをみたのが、カンボジアとの出会いだった。

 

でも、さすがに、こんなにカンボジアに通うものとは、思わなかった。

 

 

カンボジアのビザはパスポートの1枚を丁度使用するサイズだ。それほど海外に行く訳ではないけれど、僕のパスポートはカンボジアのビザだらけになっている。

 

NPOワールドビジョンと協議を重ね、サンブール保健センターが候補地に、上がったサンブールは、タイの国境沿いに位置していた。

 

今回も土日を利用して、一泊四日という謎のスケジュールで羽田空港から飛び立った。バンコクで乗り換え、カンボジアシェムリアップ空港に着くと、ワールビジョンジャパンから松岡さんが、迎えに来てくださっていた。

 

 

松岡さんは、青年海外協力隊ボリビアに赴任され、ワールドビジョンでケニアの事業を担当され、2016年夏頃から、カンボジアに赴任されたそうだった。30代で、お互い年齢が近く、高校生の時にHi standardが流行ってましたねーと、謎な会話をしながら、建設地に向かった。

 

 

 

シェムリアップから国道6号線を北西に進み、3時間ほどすると、建設予定地であるサンブール保健センターに到着した。

 

 

物腰の柔らかい、40代のヘルスセンター長と7人のスタッフが、出迎えてくれた。
既存のヘルスセンターは1990年に建設されたが、老朽化しており、たとえ傷病を抱えていたり、産前後健診のために通院する必要があったとしても、多くの住民は保健センターに足を運ばない、高額な医療費を払い私立病院を受診する現状が続いていた。
一部では、公的な病院を受診せず、危険な伝統的産婆介助での出産が残っていた。カンボジアの医療は年々改善傾向にあるが、都市部と農村部の格差は依然として顕著だった。

 

そういった状況の中、今回の病院の建設、水衛生設備の整備を通して、危険な伝統的産婆の立ち会いによる出産の増加等、新生児死亡の減少が見込めた。
挨拶をすませ、病院を見学させていただくと、確かに支える支柱が一部崩れていたり、天井が剥がれそうになっていた。

 

見学の後、病院長とスッタフ、村長、村民、保健ボランティア、妊婦さんとミィーティングを行い、お話を伺った。

 

雨期には病院自体が浸水し建物自体が揺れたりと、口々に既存の病院での出産は不安だと発言されていた。そんな不安を避け、自宅で出産したり、出産してもすぐに帰宅される妊婦さんがおられるため、病院長は、何度も州の保健省に建設の必要性を訴えたが、予算が降りなかった長年の経緯があった様だった。

 

 

出産中に、天井が起きて、あわてて妊婦さんと外に飛び出したというケースもあった。
ミィーティングの後、2008年に産後出血で、娘を亡くした女性に出会った。丁度熱帯地方独特のスコールが来て、バケツの水をひっくり返した様な雨が降り注いでいた。

 


その女性に話を伺うと、雨季で土砂降りの中病院で出産し、病院が倒壊しそうだと心配した娘さんが、スタッフの説得も振り切り、出産後2時間で自宅に帰った。帰宅後に出血が続き、急変し病院を再受診し、搬送途中に亡くなった。

 

出血などの合併症を観察するために、出産後最低でも一日は様子をみるべきとされている。

 

 

妊産婦死亡で原因は、産後出血、感染症、妊娠高血圧などがあるが、それらの中でも基本的な医療サービスがあれば救える命がたくさんある。そして、母親が亡くなれば、その子供も5歳までに亡くなる可能性が高くなる。

 

 

話を伺っていると、亡くなった娘さんを思い出した様で、泣いていた。

 

 

 

既存のヘルスセンターで、話を聞きながら、雨が止むようにお願いしながら、また、泣いている人がいるなーと思った。

 

 

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1990年から2015年にかけて、世界の妊産婦死亡率は約44%低下したが、
毎日約830人の女性が、妊娠と出産に関係する予防可能な原因で命を落としている。
妊産婦死亡の99%は、途上国で起こっている。


https://www.who.int/en/news-room/fact-sheets/detail/maternal-mortality

 

 

 

 

 

 


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