葉田甲太 ブログ。

医師 NPOあおぞら代表 5万人の命を守るタンザニア病院建設まで。

もう一度、夢を。  2016年8月30日

 

 

 

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与那国島での、日本の地域医療の日々は、大切な事を、教えてくれた。

 

 

自分の行動で誰かが、行動を起こしてくれるかもしれない事。そして、戦後様々な方のおかげで、日本の僻地医療、赤ちゃんの命が守られてきた事を知った。

 

 

海外を通して、逆に日本の素晴らしさを知り、日本の先輩方が残してくれたものに感謝した。

 

診療の間に、NPOワールドビジョンメールや電話で、打ち合わせを重ね、スタッフの問題から頓挫経験したから、老朽化した施設を新設し、医療教育を行い、貧困層でも基礎的な保健サービスを享受できる方を増やす方向性で、プロジェクトを進めていった。

 

そしてカンボジア僻地の病院新設費用は大金で、「僕たちは世界を変えることができない。」「それでも運命にイエスという。」二冊の著書の印税全額や、映画化の印税全額、僕の貯金をつぎ込んでも、残り400万円弱を、寄付金から集めるしかない状況だった。

 

 

小学校建設の時は150万円だったのに、400万という大金を集める事なんて、できるだろうか。

 

きっと、与那国島での診療がなければ、諦めていた様にも思う。何か最もらしい理由をつけて、先にのばして、やらなかった様に思う。

 

病院建設の先の、赤ちゃんの笑顔、お母さんとお父さんの笑顔、そのおじいちゃんと、おばあちゃんちゃんの笑顔、さらにいえば、その活動をみた日本の方の笑顔。

 

 

そんな未来の笑顔を想像すると、これは自分がやりたいとか、メリットがどうとか、デメリットがどうとか、そんな話じゃなく、自分がこの世界でやらなきゃいけない仕事の様な気がした。

 

 

勘違いだと思う。でも、一方で、勘違いしたからこそ、自分の背中を教えてくれた。

 

NPOワールドビジョンの谷村さんにもう一度、電話をかけた。

 

プロジェクトとして、僻地での病院新設での話がでていたが、400万と聞いて、自分の中で迷いが生まれていた。

 

僕は、物事を隠したり、人によって態度を変えたり、駆け引きが苦手だ。絶対ビジネスマンや政治家になれないのだろう。

 

そのまま、離島での日々を伝えた。

 

離島で中学生にあった事。病院建設のその先には、カンボジアだけではなく、日本にも見たい笑顔がたくさんあること。

 

 

そんな事を伝えた。

 

 

谷村さんは、電話越しにただ感謝を伝えてくれた。ワールドビジョンの谷村さんがいなければ、実現しなかったプロジェクトでもあった。僕はどれだけの人にお世話になっているのだろう。

 

 

生後22日目で赤ちゃんを亡くしたお母さんと出会って、2年以上がたち、ようやく病院建設がスタートした。

 

 

今度は、「思い」だけではなく、ちゃんとした「結果」がでる様に祈った。

 

 

 

 

 

 

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支援事業名: カンボジア王国サンブール保健センター新築支援事業
支援事業地: バンティ・ミエンチャイ州モンゴル・ボレイ郡サンブール地区
支援事業期間: 第1期:2017年2月1日~2018年1月31日(12ヶ月)
  第2期:2018年2月1日~2018年7月31日(6ヶ月)
受益者数: サンブール地区の住民7947人(1722世帯)
  このうち885人は5歳未満児
支援事業費: 15,000,000円
  啓発教育費及び地域開発援助事業管理費など18%を含む
内   容: 第1期:保健センターの新築(1棟)
第2期:雨水タンク(20,000ℓ)1基の支援
ワールド・ビジョン作成「事業企画書」より抜粋

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【第3章まとめ】

 

与那国島の橙カフェのカレーはめちゃくちゃ美味しい。

 

・キャリア形成を考えるからキャリアが作られるのではなく、原体験と情熱がキャリアを作る。

 

・途上国では、出産後赤ちゃんとお母さんを薪でいぶす等、母子共に伝統的産婆の文化が残っており、助産師介助での分娩がすすめられている。

 

・看護師助産師の割合は人口1000人あたり、日本は11.2人に対して、カンボジアは0.95人と医療者のスタッフ数や質の問題がある。

 

・国際社会では、2030年までにすべての国で『すべての人が支払いに困ることなく、自分が必要とする基礎的な保健医療サービスを受けられる。』ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成を目指すという目標を掲げ、推進している。

 

・日本は戦後22年で、たくさんの方の尽力で、1967年に国民皆保険を達成した。

 

・保温、感染予防、栄養をといった基本的な対策で、SDGsの目標でもある新生児死亡の目標12人/出生1000を、日本は政治家や国民の尽力で1967年に達成していた。

 

・是正されるべきだけれど、ワークライフバランスを無視した働き方で、日本の僻地を守ってこられた医療者の方がいた。

 

・日本の新生児死亡は、0.9人/出生1000あたりと、世界1位。

 

・まずは、目の前の事に、やりがいを持って、ガムシャラに行動する事。
それが、きっと幸せを運んできてくれるはず。

 

 

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NPO法人あおぞら

npoaozora.org

 

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