光の刺す方向へ。 2014年10月25日
光。 2014年10月25日
小さい頃、国境なき医師団の活動をみた。
ドキドキした。
いつしか、それが夢になった。将来、お医者さんになって、日本でも海外でも、医療の届かない地域で働きたいと当時思った。
それから、なんとか一郎の末、東京の大学に受かり、上京した。
2005年に、渋谷の郵便局で、あるパンフレットを見た。
「150万円あれば、カンボジアに小学校が建ちます。」
その経緯を綴った本は、奇跡で東映から、2011年に主演向井理さんで映画化になった。
2014年に、カンボジアの建設した小学校を再訪すると、新生児を亡くしたお母さんと出会った。ショックだった。小学校を建設しても、救えなかった命もあった。
小さいころから思っていた国際協力の世界は、大人になって、現実を見ると、情けないけれど、思ったより厳しかった。国連の様な行政機関で働いて貢献する場合は、ほぼ臨床医をやめてキャリア争いに勝っていかなきゃいけない一面もあった。現場で活動する時は、もちろん薄給になり、時に命の危険にさらされる事もあった。
だんだんと、世の中の現実にふれ、大人になり、小さい頃の気持ちはしぼんでいった。
収入やキャリアの事も考えて、その時僕は行政機関の就職しようと、海外の大学院に行こうとしていた。行政機関が悪いという訳ではもちろんなく、それは人のための選択というよりは、情けないけれど、自己保身の気持ちも正直あった。
2014年10月25日、そんなときにスーダンで活動している川原先生と偶然出会った。熊本大学で、スーダンで活動をされている医師の川原先生の講演会があった。
川原先生は、外科医として臨床を積んだ後、医務官としてアフリカのスーダンに赴任され、スーダンの現状に触れスーダンの人のために何かしたいと、安定した職業であった医務官を退職して、NPOロシナンテスをはじめた。
僕は熊本大学の学生に誘われ、その講演会を聞いていた。
熊本大学の講堂の大型スクリーンには、川原先生のこれまでの活動がうつしだされていた。
プロジェクターから、スーダンの巡回診療の様子、井戸建設、学校建設事業、スポーツ事業、スーダンの方の笑顔が投影されていた。
その光景は、小さい頃に憧れていた国境なき医師団の景色に、なんだか似ていた。
そして何より、50歳近くにもなる川原先生がとても、楽しそうに見えた。
自分の夢を楽しそうに語っていた。
スーダンの方の笑顔と同じぐらい、支援をしているはずの、川原先生が笑顔だった。
社会人になっても、夢でもあった国際的な活動をこのまま続けるか、色々と迷っていた僕は 講演会の後、川原先生に話かけた。
先生数分話をした後、川原先生が、迷っている僕に言ってくれた。
「葉田くん(僕の名前)、スーダン来てみる?」
この一言から、スーダンで川原先生のNPO活動を見学し覚悟を決め、日本の地域医療を学び、カンボジアを再訪し、長崎大学に熱帯医学を学びに行き、NPOをつくり、クラウドファンディングで本当にたくさんの方にご協力頂き、なんとか4年間かけてカンボジアのへき地に病院を建設した。たくさんの方のおかげで、今も、継続支援、5万人の命を守る病院建設プロジェクトなど、その活動を世界で続けさせて頂いている。
今考えると、何か自分に特別な能力があった訳ではなく、憧れでもあった川原先生との出会い、カンボジアや日本での地域での様々な方との「出会い」こそが、何より重要だった。
キャリアや、収入、色々な人からの評価を気にして、色々と人生に迷っていた僕にとって、川原先生は「光」の様な存在だった。
大げさだけれど、憧れの人は、社会人になり、現実にふれ力のなさを自覚した自分を羅針盤の様に導いてくれた存在だった。
スーダン基本データ
正式名称 スーダン共和国(The Republic of the Sudan)
面積 250万6000km2 (日本の約7倍 アフリカ大陸最大)
言語 アラビア語 英語
元首 オマル・ハサン・アフマド・アル・バシール
日本との時差:-6時間
一人当たりの国民総所得 807.52ドル(IMF - World Economic Outlook
Databases (2019年4月版))
平均余命 64歳(UNICEF 世界子供白書2017)
識字率 54%(UNICEF 世界子供白書2017)
乳児死亡率 45人/1000人 (UNICEF 世界子供白書2017)
5歳未満死亡率 65人/1000人(UNICEF 世界子供白書2017)
妊婦死亡率 311人/出生10万当たり(UNICEF 世界子供白書2017)
まとめ:結局、出会いが人生を変えていく。
向井理さん推薦!
~献身(ボランティア)とは何か
愚直に自分と向き合う医師の現在進行形の物語~
映画化以降の8年間の苦悩、悔しさ、涙、仲間の大切さ、出会い、自分の幸せ、収入やキャリア、夢や目標の叶え方、なぜ僕たちは働いているのか?色々なものを詰め込みました。
NPO法人あおぞらを通じて、印税をタンザニア新病院プロジェクト、ラオスの新生児蘇生法講習会、カンボジアのサンブール保健センター継続支援、グラフィス小学校栄養指導、検診活動等に使わせていただきます。