葉田甲太 ブログ。

医師 NPOあおぞら代表 5万人の命を守るタンザニア病院建設まで。

素人から出版しようとして、うまくいかなくて、自費出版して、5000部売れて、映画化になった話。part7

正直に書かないと意味がない気がするから、今日もそうしてみる。

 

 

あの時、そう思っただけで、その時に嫌だった事も悩んだ事も、今は全部良かった事だと思えているから。


そして、今から書くのは誰のせいでもなく、僕のせいだから。

 

 

f:id:kotahada:20191219094032j:plain

 

 

 



 

佐藤さんと出会い、深作監督と話をして、向井さんたちに出会えて

「僕たちは世界を変えることができない」が映画になり、公開するまでは

僕の中で文化祭の様な生活で、とても楽しかった。

 

 

 

映画が公開してから、突然、ちょっとした有名人の様になり、周囲の環境が変わっていった。

 

 

 

 

あなたと一緒に、精神世界から世界

 


を変えましょうと、よく分からない手紙をもらったり

 

 

カフェでお茶をしていますとツイートしたら、実際にツイートを見た人がいらっしゃったり

 

 

幼稚園時代の同級生からも、映画をみたよ!と、たくさんの人から連絡がきて、人生ではじめて返せないぐらいのメールが来た。

 

 

 

 

 

 

ある日を境に、人からすごいね!!と何回も言われる様になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

www.youtube.com

 

 

今でも良く覚えている光景があって。

 

 

 

「僕たちは世界を変えることができない」映画のPRで明治大学に行き、たくさんの人がいて、色々な人に、すごいですねと言ってもらった。

 

 

数えきれないフラッシュを浴びた後、一般人の僕は、電車にゆられながら、一人で帰った。

 

 

明治大学からの帰り道に、電車にゆられながら

 

 

 

「こんな状況は普通じゃない、長く続かない。調子に乗らないでおこう。調子に乗らないでおこう。調子に乗らないでおこう。自分の実力以上に評価されている。きっと、僕にはこれから深い闇が待っているだろう。」

 

と自分の未来を予測しながら思った。

 

 

 

 

でも、人間というのは、難しい生き物で、人はゆっくりゆっくり調子にのっていく。

 

 

まるでぬるま湯につかったカエルの様に、調子に乗らないでおこうと謙虚に自分は思っているつもりでも、調子にのっている事に自分は気づかない。

 

 

 

 

自分の予想より、深くて長い闇というか、色々考えてしまった時期が僕には待っていた。

 

 

 

あの時僕は、心の底では「映画化になった本を書いた自分はすごいやつだ。」もっといえば、「人と違うすごいやつだ」と思う様になっていた。

 

 

あんまり書きたくないけれど、当時、初めて会う人には、「いつこの人に映画の事を言おう?」「いつ、この人は映画の事を聞いてくれるだろう?」と思っていた。

 

 

 

 

それは今思うと、自分に自信がなかったからだった。

 

 

 

医師としても、国際協力として、本を書く人としても、自信も実力もなくて、ましてや一番最悪なのは、これから何がやりたいかもはっきりしていなかった。

 

 

 

あの時の、僕はペラペラだった。(い、今もそうかもしれないが・・・でも前より確実に良くはなった。)

 

 

 

出会った可愛い女の子に、食い気味で映画化について、話す事もあった。

 

自分は人と違うと、謙虚な姿勢を忘れて、自分から人に話しかける事も少なくなった。

 

 

 

でも、実際は気づいていた。ペラペラな自分に。でもどうしていいか分からなかったから、ぬるま湯からでるのが怖くて、見てみないふりをした。

 

 

 

 

 


映画化以降、向井理さんは、ますます映画やテレビで見かける事が増えていった。


松坂桃李さんも、窪田正孝さん、映画や雑誌でたくさん見る様になった。

 

 

映画化から時間がたつと、徐々に徐々に、人からすごいね!と言われる事も少なくなっていた。

 

 

 

はっきりとした時期は忘れたけど、2014年頃に、市の講演会で僕はゲストで呼ばれ1時間話しただけで、約20万円講演費として頂いた。

 

 

 

 

僕は、なぜか知らないけれど、その20万をもらった事に申し訳なさすぎて、講演会の帰り道に泣けた。電車の中で、周りがドン引きするぐらい泣いた。

 

 

 

自分は何がしたかったんだっけ??

 

 

 

コンパで女の子に映画化をダシにして、モテたかったんだっけ。

 

 

 

作家になって、人からすごいねと、ベストセラーを書きたかったんだっけ。

 

 

 

有名人になりたかったんだっけ。

 

 

 

講演家として、お金を稼ぎたかったんだっけ。

 

 

 

f:id:kotahada:20191219094037j:plain

 

 

あの時、電車でどれも違う気がしたけれど、答えをだせなかった。

 

 

 

「葉田さん、やりたい事が分からないんですけど、どうしたらいいですか?」

 

 

そんな質問に、講演会で自信満々で答えていた、自分が一番、分からなくなっていった。

 

 

 

f:id:kotahada:20191218093016j:plain

 

 

 

 

あれから、色々な事があった。

 

スーダンで川原先生と出会った

カンボジアで新生児を亡くしたお母さんと出会った。

長崎大学熱帯医学講座に行った。

医師として離島や地域で働いた。

国際NGOワールドビジョン・ジャパンさんと出会った。

新生児科医の新生児蘇生法を教えてくれる嶋岡先生と出会った。

カンボジアの僻地に病院が建って、笑ってくれたお母さんと救われた命があった。

JICAと連携させてもらってラオスで新生児蘇生法講習会をはじめた、

タンザニアの新病院プロジェクトがはじまった。

 

 

恥ずかしいけれど電車で泣いたあの日から、僕を救ってくれたのは、綺麗事かもしれないけれど、人との出会いと、自分の小さい頃の夢だった。

 

 

 

 

自己啓発本にのっている事は、時々役にたつけれど、一番大事だったのは、人との出会いと、自分の夢だった。

 

 

 

 

 

本も、NPOも、講演も、メディアにでる事も、目的ではなく全部手段だった。

 

 

 

 

綺麗事かもしれないけれど、世界の僻地で亡くなっている命を救いたい。そんな目的だけが、自分の背中をおしてくれた。

 

 

 

 

f:id:kotahada:20191218091956j:plain

f:id:kotahada:20191219093112j:plain

f:id:kotahada:20191219093119j:plain

 

f:id:kotahada:20191218095057j:plain

 

 

 

 

 

僕たちは世界を変えることができない。は当時僕なりに3つの意味を込めた。

 

世界を変えることができなくても、僕たちは、行動する。

世界を変えることができないから、みんな協力してほしい。

世界を変えるなんて、横暴で、現地の人にとっては、世界を変える必要なんてないんじゃないか。

 

 

 

 

映画化以降の苦悩や、出会いは拙著「僕たちはヒーローになれなかった」にまとめさせてもらっています。

 

 

 

 

これから先、物事がうまくいくと、僕は、また調子にのってしまうんだろうか。

 

 

 

 

そうならない様に、あの日から少し学んで、NPOを一緒にやっている5人のメンバーは、僕にすごいねとか、憧れを一切持っていない人と一緒にやっている。

 

 

たまに、ディスりがひどくて、もう少し優しくして欲しい時もあるけれど・・・

 

 

f:id:kotahada:20191214120411j:plain

 

 

 

 

 

今はもう世界を変えるとか、変えれないとか、ヒーローになるとか、なれないとか正直どうでもいいかもしれない。

 

 

ただ、関わった目の前の命を、みんなで救いたい。そして、そんな事を、これから増やしていきたい。

 

 

 

そのためには、勉強しなくちゃいけないこと、努力しなくちゃいけないことが、山の様にある。

 

 

 

もし、あの時の僕の様に、何がやりたいか分からない人がいたら

 

昔の自分の夢を参考にしてください。そこにヒントはあって、あとは、無責任だけれど、人との出会いが、きっと助けてくれます。

 

 

偉そうにすみません。

 

 

 

 

完全に終わり方が、分からなくなった。

 

 

 

 

 

なんだか良く分からないけれど、やっぱり僕は、また、頑張ろうと思うよ。

 

 

やっぱり人の笑顔が見たいと思うから。 

 

 

 

 

そんな事が大切だと、色々な人が、自分に教えてくれたから。

 

 

 

 

 

 f:id:kotahada:20191218095034j:plain

 

 

 

 

 

 

まとめ:迷ったら、小さい頃の自分の夢と、出会いを大切に。

    調子に乗る人は、調子に乗らない様にしてくれる人と一緒にいる。

    まだまだ頑張る。

 

 

 

 

 

 

「僕たちはヒーローになれなかった。」

 

f:id:kotahada:20191119201409j:plain

 

 

向井理さん推薦!


~献身(ボランティア)とは何か
愚直に自分と向き合う医師の現在進行形の物語~

 

 

f:id:kotahada:20191205233621j:plain

 

 

映画化以降の8年間の苦悩、悔しさ、涙、仲間の大切さ、出会い、自分の幸せ、収入やキャリア、夢や目標の叶え方、なぜ僕たちは働いているのか?色々なものを詰め込みました。

 

 
僕たちはヒーローになれなかった。

けれど

みんなと一緒になら、目の前の命を救うことができる。



NPO法人あおぞらを通じて、印税をタンザニア新病院プロジェクト、ラオスの新生児蘇生法講習会、カンボジアのサンブール保健センター継続支援、グラフィス小学校栄養指導、検診活動等に使わせていただきます。

 

 

 

 

医師  NPO法人あおぞら 理事長
葉田甲太

 

 

 

f:id:kotahada:20191218095113j:plain

 

 

 

 


出版記念 47都道府県全国ツアー 第4弾

 

12月21日(土)14:00~17:15@宇都宮

 

× 嶋岡鋼 (NPO法人あおぞら アドバイザリースタッフ 小児科・新生児科医 日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法(NCPR)インストラクター AAP Helping Babies Breathe Program マスタートレイナー)

 

peatix.com

 


出版記念 47都道府県全国ツアー 第5弾

12月28日(土)19時00分~20時45分@宮崎

× 杉本恭佑(株式会社油津応援団 コミュニティマネージャー)
ーヒーローを目指した僕たちの今ー

 

peatix.com

 

 

 

出版記念 47都道府県全国ツアー 第6弾 

2020年1月18日(土)14時00分~16時00分@岡山

×小倉恵美(紬屋旅館女将/元女子アナ/世界一周経験者)
ー僕たちはヒーロになれなかった。それでも世界を動かすチカラー

 

bokuherovol6.peatix.com