葉田甲太 ブログ。

医師 NPOあおぞら代表 5万人の命を守るタンザニア病院建設まで。

素人から出版しようとして、うまくいかなくて、自費出版して、5000部売れて、映画化になった話。part3

 

 

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東映ビデオの佐藤さんから、「僕たちは世界を変えることができない」の映像化について、大学5年生の時に連絡をもらい

 

 

はっきり覚えていないけれど、日暮里の駅の近くの、ドトールの2階でお会いした。

 

 

正直、僕は生まれてから、芸能関係者、芸能人というものに、ほとんど会った事も話した事もなかった。

 

 

 

映像化について、違う芸能関係者にもお会いしたことがあったのだけれど、

 

 

「葉田くん、その日テッペンまでいけるの?」

 

「スケジュール、フィックスするよ」

 

 

と業界用語もあり、よく分からず、なんだか佐藤さんに会う前にめちゃくちゃ緊張した。

 

 

 

 

 

東映ビデオの佐藤さんは、そんな業界用語は全く使わず、ドトールでお会いした時、失礼だけれど、ただ良い人そうだなぁと思った。

 

 

そして、映画が大好きで、めちゃくちゃ映画にあつい人で、恰好良くみえた。

 

 

 

佐藤さん「今度、深作監督と会って、話そう。」

 

 

 

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ドトールでお会いした後、僕はツタヤに直行し、深作監督の映画を全部借りた。

 

 

 

あの仁義なき戦いのご子息で、バトルロワイアルⅡの監督さんなのか!

 

 

その日、「同じ月を見ているという」映画に、感動して泣けた。

 

 

 

数週間後・・・・

 

 

 

 

僕は、深作健太監督が本当に来るか疑問を持ちまくり、お顔をネットで検索し記憶してから、お食事会に向かった。

 

 

スーツにした方がいいのか、ジーパンは失礼かな、さすがに襟付きシャツかな・・・

 

服装まで散々考えたあげく、結局背伸びしても仕方ないと、普段着でのぞむ事にした。

 

 

 

有楽町の近くの、地下にある小料理屋で、東映ビデオの佐藤さん、深作健太監督とお会いした。

 

 

 

 

「本当に、深作健太監督がきた!!」

 

 

 

 

生ではじめてみる芸能人に、この時、この話が詐欺や嘘ではなく、はじめて、本当に自分の本が映画になる可能性がある事に気づいた。(めちゃくちゃ遅い・・・)

 

 

 

 

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とにかく、緊張しすぎて何を言ったかあんまり覚えていない。

 

 

深作健太監督は、とても物腰柔らかい方で、医大5年生の戯言をうんうんと、優しく聞いてくださった。

 

 

 

僕は、一つだけ、深作監督に僭越ながら伝えた。

 

 

 

「どうか、僕を恰好悪く描いてください。カンボジアに箱ものである小学校を一つ建てたところで、何も変わらないかもしれません、それに対する批判をたくさん、いれた映画にしてください。」

 

 

 

 

3時間程度あつい話をかわし、深作監督と、東映ビデオの佐藤さんと別れた。

 

 

 

 

あの日、僕は心に深く思った。

 

 

 

 

「この人たちなら、きっと思いをまっすぐ伝えてくれる。」

 

 

 

 

 

映画化はもう僕の手の届く範囲ではない、全てお任せして、僕のやるべき事をやろう。

 

 

 

そう思い、僕は「それでも運命にイエスという。」というカンボジアエイズドキュメンタリーの製作と、実習に取り組んだ。

 

 

 

https://www.amazon.co.jp/それでも運命にイエスという。-小学館文庫-葉田-甲太/dp/4094086579

 

 

 

 

 

それから数か月後・・・・・・

 

 

今でも、あの景色を僕ははっきり覚えている。

 

 

 

 

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関連病院がある山形で、病院実習をさせて頂いている朝に、佐藤さんから電話がかかってきた。

 

 

 

僕はちょうど、テキストを取りにもどるため、築50年は超える極寒の病院の宿舎に戻っていた。

 

 

 

 

 

佐藤さん「葉田くん、映画にでてくれる俳優さんが決まりました。」

 

 

学生葉田「はい。」

 

佐藤さん、一人ずつ、出現してくださる俳優の方々のお名前を頂いた。

 

ちょうど、なにげなく、僕は宿舎のテレビをつけていた。

 

 

佐藤さん「向井理さん・・・・」

 

 

学生葉田「すみません・・・存じ上げません・・・」

 

 

佐藤さん「ゲゲゲの女房にもご出演されていて、ウルルン滞在記でもカンボジアに行かれた経験をお持ちです。」

 

 

 

テレビのチャンネルをNHKに変えると、ちょうど、ゲゲゲの女房が流れていた。

 

 

はじめて拝見した時、向井さんは、めちゃくちゃイケメンで、めちゃくちゃ顔が小さい方だと思った。

 

 

 

松坂桃李さん・・・窪田正孝さん・・・柄本佑さん・・・・」

 

 

 

そうそうたるメンバーが並んでいる僕は、芸能関係に疎い僕は、気づいていなかった。

 

 

 

学生葉田「分かりました、ありがとうございます。」

 


電話の後、僕はNHKゲゲゲの女房に出演されていた向井さんをずっと拝見した。

 

 

 

なんだか、イケメンでとても聡明そうな方だな・・・

 

 

 

山形で実習している、極寒の病院宿舎で毛布にくるまりながらテレビをみている医大生が

 

 

テレビの中の向井理さんに、本当につながるのだろうか。

 

 

ゲゲゲの女房が終わると、強烈に空が晴れて、太陽が部屋に差し込んだ。お借りしたPHSに指導してくださる先生から電話かかってきた。

 

 

「葉田くん、今どこにいるの?」

 

 

 

「あっ、すみません、すぐ戻ります。」

 

 

 

 

宿舎のテレビを消して、玄関の扉を開けて、空を見た。

 

 

 

 

やっぱり、めちゃくちゃ晴れていた。

 

 

夢みたいだなぁと、あの日、山形で24歳の時に思った。

 

 

 

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まとめ:浮かれず、調子に乗らず、一歩ずつ。

 

 

 

 

 

 

「僕たちはヒーローになれなかった。」

 

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向井理さん推薦!


~献身(ボランティア)とは何か
愚直に自分と向き合う医師の現在進行形の物語~

 

 

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映画化以降の8年間の苦悩、悔しさ、涙、仲間の大切さ、出会い、自分の幸せ、収入やキャリア、夢や目標の叶え方、なぜ僕たちは働いているのか?色々なものを詰め込みました。

 

 

NPO法人あおぞらを通じて、印税をタンザニア新病院プロジェクト、ラオスの新生児蘇生法講習会、カンボジアのサンブール保健センター継続支援、グラフィス小学校栄養指導、検診活動等に使わせていただきます。

 

 

医師  NPO法人あおぞら 理事長
葉田甲太

 

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