素人から出版しようとして、うまくいかなくて、自費出版して、5000部売れて、映画化になった話。part2
昨日書いた記事を意外と、当事者たちが読んでいて、連絡をもらった。
今一緒に活動していなくても、昔一緒にやってた事は変わらないから、僕にとってはいつでも良い思い出だ。
あの時、どうもありがとう。
2008年3月、大学4年生の時に、「僕たちは世界を変えることができない」を借金だらけで、自費出版した。
保管する場所もなく、一時的に僕のアパートが、本であふれかえった。
3000冊を見ながら、めちゃくちゃ後悔した。
朝起きても、売れる保証なんて、全くない自費出版の本が自分の部屋を覆いつくしている。
朝起きても、ため息しかでない。
本を見て、ふてくされて再度寝て、また起きても、本がある。
当初のカンボジアの小学校の継続支援のために、本をだそうなんて、考えはもう正直ほとんどない。
この自分の部屋を覆いつくす自費出版の3000冊をどうするか。
そんな解決策をすぐに思いつく訳もなく 、自分の考えられる行動をまずは、やってみた。
とりあえず、本屋さんに置いてもらわなきゃいけない。
スーツを着て、まずは書店を一人で、まわる事にした。
学生葉田「すみません、この度本をだしまして・・・」
書店員さん「どなたでしょうか?」
学生葉田「日本医科大学医学部4年の葉田と申します。」
(名刺すらない・・・)
書店員さん「えーっと学生さんが、何の御用でしょうか?」
学生葉田「この本を・・・」
書店員さん「考えときますねー」
そもそも、学生が自費出版した本なんて、置いてくれる訳がない。
何回も足を運んで、「この本絶対売れるので置いてください!」と何度も何度も頭を下げた。
辛かったのは、なんとか書店に置いてもらったものの、書店でほとんど売れずに何回も書店員さんを失望させた事だった。
「売れるって言ってたのに、全然売れないじゃん。もう来なくていいから。」
そう書店員さんに言われた時は、自分の力不足と、書店員さんへの申し訳なさがとてもあった。
何度も通い置いてもらった本屋さんで、時に罵倒されて帰ったら、山積みの本が家にある。
ため息をつきながらでも、同じ失敗を繰り返す事だけはしてはいけない。
失敗したらなら、それを分析して違う方法をためすしかない。
規模の小さい話で恐縮だけれど、
当時流行っていたMIXI経由で、amazonから、学生さんが本を少しだけ買ってくれていたのを見た。
色々な人に買ってもらうのは難しくても
同じ学生さんなら読んでくれるかもしれない。
大学生生協をまわって、本を置いてもらう事にしよう!
そう考えた僕は、同級生の芝田と、同じサークルの直子さん、なおよしとレンタカーを借りて
春休みに関東の生協をまわる短い旅にでた。
みんなでスーツを着て、ひたすら、大学生協で頭を下げた。
4人の男女の学生が、ヨレヨレのスーツを着て関東の生協をまわるという異様な光景があり
ちょこちょこと、置いて頂ける生協が増え、当時活動していた、学生国際協力団体のSIVIOやCREDOなどにも協力してもらい、徐々に借金だらけで出版した「僕たちは世界を変えることができない」は、少しだけ売れていった。
頭を下げる、そんな地道な作業をなんども続けて、なんとか2000冊程度、売れた。
3000冊まであと1000冊・・・というか約40万の借金・・・
思いつく方法はすべて、試した・・・・
自分が頑張る方法ではもう限界があった。
なにか、本を売る方法がないか、書店に置いてもらえるか、その後調べていくと
当時書店へFAXダイレクトメールを送るという営業があった。
注文書とチラシが一体となった1枚のFAXを全国の書店に送って、注文をとるという方法だった。
そして、そのFAXダイレクトメールで注文をとるためには、テレビに出演した方法が良いという事であった。
1日がかりで、素人がテレビに出られるが番組を調べると・・・
当時、NHK 一期一会という意見の異なる二人が30分程度、議論するという番組があった
諦めるのはいつだって、できる。どうせ、諦めるなら、可能性が低い事でも、すべてやってから諦めればいい。
世界を変えられる!なら、きっと出演できないだろうなとも思い、世界を変えられないという立場で、応募してみた。
一週間後・・・
出演のメールがきて、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんと「世界を変えられるか」というテーマで出演する事になった。
再放送も含めて4回ぐらいNHK 一期一会でその模様が放送された。
それをもってFAXダイレクトメールを作成し、結局増刷しなきゃいけないほど2000冊程度を注文をとることができた。
いつしか、僕は大学5年生になっていた。
やっと、借金・・・・じゃなかった・・・3000冊が売れた。
カンボジア小学校建設について本を書いてみよう。そう思ってから、なんどもうまくいかずに、ようやく自費出版だけれど、たくさんの方のおかげで、結局5000部売る事ができた。
大学の実習から、帰ってきたある日、メールを開くと、自費出版のパレートいう会社の下牧さんからメールがきていた。
「葉田くん、東映ビデオの佐藤さんから、映像化についての話が来てますよ!!」
なんとも失礼な話だが、東映ビデオが東映と関係している事を当時の僕は知らなかった。
正直、メールの意味が全然分かっていなかった。
なんとも失礼な話だが、よく分からないメールがきているなぁ、怖いなぁと
東映ビデオの佐藤さん、深作健太監督に会うまで、これから自分にどんな事が起こるのか
全然分かっていなかった。
今思えば、自費出版の会社のパレードの下牧さん、東映ビデオの佐藤さん、深作健太監督、あの時僕は、ただただ出会いに恵まれていた。
まとめ:同じ失敗をしない。
失敗を分析して、うまくいくまで、ひたすらやり続ける。
向井理さん推薦!
~献身(ボランティア)とは何か
愚直に自分と向き合う医師の現在進行形の物語~
映画化以降の8年間の苦悩、悔しさ、涙、仲間の大切さ、出会い、自分の幸せ、収入やキャリア、夢や目標の叶え方、なぜ僕たちは働いているのか?色々なものを詰め込みました。
NPO法人あおぞらを通じて、印税をタンザニア新病院プロジェクト、ラオスの新生児蘇生法講習会、カンボジアのサンブール保健センター継続支援、グラフィス小学校栄養指導、検診活動等に使わせていただきます。