葉田さん、タンザニアのクウェディモマ地区はどうでしょうか。 2018年2月
小学生1年生の時に、国境なき医師団の活動を見た。
餓死している子供たちをみて、聴診器をあてている医師の姿をみて
いつか、自分もこんな活動をしてみたいと思う様になった。
ずっとあの時に見たテレビを20年以上、心の隅っこで思い続けていた。
なんとか、医大に入り、カンボジアと出会い、本を出版させてもらい、映画にして頂き、新生児を亡くしたお母さんと出会い、長崎に行き、僻地で働かせてもらい、ワールドビジョンさんと出会い、NPOをつくり、カンボジアのサンブール保健センターを新設し、小児科の嶋岡先生と出会い、新生児蘇生法講習会をして、なんとか数字上も結果がでて
そんなすったもんだがあった。
3年半前、2016年5月に、ワールドビジョンの谷村さんに、夢をかたった。
「いつか、カンボジアの事が上手くいったなら、アフリカに対しても医療支援させて頂きたい。」
実際は、そんな事を忘れるほど、2年間かけたカンボジアのサンブール保健センター建設は大変だったけれど。
自腹をたくさんきり、色々な人に迷惑もかけながら、それ以上にたくさんの方にご協力頂き、カンボジアのサンブール保健センターのプロジェクトが落ち着いた、2018年2月頃に、国際協力NGOワールド・ビジョン・ジャパンで会合を行った。
病院、スタッフ、医療技術、医療機材があっただけでは、結果はでない。
教育、水衛生、貧困、保健ボランティアの要請、行政との結びつき、そんな複合的な要素にアプローチしなければ、病院を建てたところで意味がない。
そして、そんな膨大な多様な支援をされている国際協力NGOワールド・ビジョン・ジャパンさんと一緒に活動できたからこそ、成り立ったプロジェクトだった。
突然、今回のタンザニアのプロジェクトがでた訳ではなく、2016年春の出会い、電話から一歩ずつ、信頼を得られる様に、時々色々な事がありながらでも、一緒にゆっくり歩かせて頂いた。
「お母さん、赤ちゃんを失い泣いている人の涙をとめたい。」
そんな非科学的なことを達成するためには、
科学的にロジカルに、現実的に、考える。
ひたすら、結果がすべてだと、言い聞かせて、自分のやりたくない事もやる。
医師として、できる事があればやるし、できないなら、誰かにプライドを捨てて頭を下げにいく。
そんな思いを達成するために、国際協力NGOワールド・ビジョン・ジャパンさんが支援されていた、タンザニアのクエディモマ地区が支援の候補地に挙がった。
タンザニアの保健状況をみると、
妊産婦死亡 398人/10万人(日本の100倍)
*UNICEF:Maternal and Newborn Health Disparities
さらにJICA保健セクター情報収集・確認調査・保健セクター分析報告書(2012)を参考にすると、
妊産婦死亡の内訳は、2011 年の国連児童基金(UNICEF)のCountry Profile 2010 [14]によると、産褥出血 (34%)、高血圧( 19%)、他の直接原因(11%)、敗血症(9%)、先天性疾患(1%)、間接的原因(17%)、 中絶(9%)となっており、産褥出血、高血圧による妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)、敗血症など、医療施設での出産ならば死に至ることが予防可能な原因による死亡が全体の 60%を占める。
保健人材も少なく、定着率も極めて低い 医療施設へのアクセスへの障壁:「治療費を捻出できない(24.1%)、「施設までの距離(19.2%) 「医療施設に行くのに許可を取ること」は2.4%のみ
PHC サービス供給の要の施設であるヘルスセンターの数が、他の施設に比べ圧倒的に少なく、一つの県 に対し、ヘルスセンターが 4 施設程度しかない計算となる。タンザニアの総人口推計が 43,739,000 人 (2011 年)であることから、1 つのヘルスセンターがカバーする人口が、単純計算では、96,700 人程度 となる。タンザニアの PHC サービス供給施設の数が大きく不足していることがわかる。
*JICA保健セクター情報収集・確認調査・保健セクター分析報告書(2012
ヘルスセンターに置き換わる、適切な日本語がほとんどない。カンボジアとタンザニアではヘルスセンターの規模もカバーする人口も全く違う。
カンボジアは8000人規模、今回はタンザニアで5万人、。
日本でいえば、二次救急、市中病院クラスの公的医療施設を、タンザニアの僻地に新設する事になる。
「きっと、大変だろうなぁ。」
当時、僕は漠然と思った。
大変だろうなぁと思っていたけれど、今思えば、ほとんど分かっていなかった。
すべてにおいて、余裕がなかった。
2018年春~2019年12月にかけて、ラオス、カンボジア、タンザニアの活動、メンバーの入院、クラウドファンディング、本出版などもあり、NPOあおぞらの活動もアップアップした。
「きっと、大変だろうなぁ」
そんな思い以上に何倍も大変な、忘れられない2年間がスタートした。
2018年5月に、僕と近藤でタンザニアへ視察させて頂く事となった。
向井理さん推薦!
~献身(ボランティア)とは何か
愚直に自分と向き合う医師の現在進行形の物語~
映画化以降の8年間の苦悩、悔しさ、涙、仲間の大切さ、出会い、自分の幸せ、収入やキャリア、夢や目標の叶え方、なぜ僕たちは働いているのか?色々なものを詰め込みました。
NPO法人あおぞらを通じて、印税をタンザニア新病院プロジェクト、ラオスの新生児蘇生法講習会、カンボジアのサンブール保健センター継続支援、グラフィス小学校栄養指導、検診活動等に使わせていただきます。