葉田甲太 ブログ。

医師 NPOあおぞら代表 5万人の命を守るタンザニア病院建設まで。

病院建設地視察 2016年6月22日

 

 

 

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基本的な保健サービスを導入すれば、赤ちゃんの命を半分ほど救うことができる。

 

そんな科学的な事実から、ワールドビジョンの谷村さんと、やり取りを繰り返し、カン

ボジアとタイの国境沿いにあるバンテイメンチェイ州トモプオ郡が、建設候補地に上が

った。この地域の現状として、近くにそもそもヘルスセンターがなく、高額な費用を支

払いタイで出産するなどの現状もあり、候補地を視察する事になった。

 

 

長崎大学熱帯医学講座の修了試験があるため、それまでに返ってこられる様に、6月22

日午後の授業を終えた後、そのまま路面電車に飛び乗り、バスで長崎空港へ向かい、羽

田空港は1日6便ある内の午後5時5分初の便に乗り、羽田空港から深夜便でバンコク

経由にして、6月23日の早朝に世界遺産のアンコールがあるシェムリアップに到着し

た。

 

 


NPOワールドビジョンはジャパンの他にも、世界に支店があり、空港にはワールドビジ

ョンカンボジアのスタッフのサリンが迎えに来てくれていた。今回は通訳のブティさん

がいない、親から離れた小鹿状態である。

 

 

サリンは20代後半のカンボジア人で初対面だったので、お互い自己紹介しながら、道

中に。僕の拙い英語で苦労をかけながら、サリンがなぜNPOで働いているかを伺った。

 


国際協力を仕事にする場合、国連などの行政機関で働く、JICAで働く、国立国際医療センターの国際医療局で働く、NPOで働く、大学で研究に従事する、開発コンサルティング会社に就職するなど、いくつかの形態があって、その経緯は本当に人それぞれでキャリア形成にほとんど法則性はなかった。

 

 

そんな中で、長崎大学熱帯医学過程で出会った先生方の中から法則性を見つけようと、オーバーではなく100人ぐらいの人生を研究した。その中で唯一共通していたのは、「原体験」と「情熱」だった。まず初めに、各々の「原体験」があって、それをキッカケに、「情熱」をもちすすんでいき、結果として、キャリアを形成していた。

 

 

キャリアや待遇を気にするから、それらに結びつくのではなく、「原体験」や「情熱」がそれらを結果的につくっているようにもみえた。

 

座学を学べた事も大きかったけれど、そんな先輩方の一人一人のライフストーリーを聞けたのが、何より貴重だった。

 

国連や、NPOや、JICAなど働き方は内容で、難しく見えるけれど、最後はシンプルに原体験に対する情熱を持ち、道を切り開き進んでいった様にも見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シェムリアップから、北西に5時間ほど車を進めたところで、タイの国境ぞいにあるバンテイメンチェイ州トモプオ郡の町に着いた。
ここは、世界遺産プレアビヒアをめぐって、2011年まで紛争があった場所だ。

 

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タイとの国境に山に囲まれた景観の景色も眺めながら、この地域の村人と、ワールドビジョンカンボジアのスタッフから現状を伺った。

 

 

 

 

最寄りのヘルスセンターにはバイクタクシーで1時間ほどかかってしまい、出産時に受診せず、少数であるけれど自宅で、伝統的産婆(Traditional Birth Attendant)の介助の下、出産する文化も残っていた。日本では、助産師(Skilled Birth Attendant)が出産介助を行うが、途上国では清潔でない機材でへその緒を切断したり、カンボジアでは出産後のお母さんを温めるためにベットの下に薪を炊いて一週間燻したりする文化も残っていた。

 

 

村人も、伝統的産婆が絶対に良いという反応ではなく、近くに施設がなく、出産時は仕方なく伝統的産婆を利用されている方もいた。

 

 

お話を伺った後、最寄りのヘルスセンターを視察しに行こうと、車に再び乗り込んだ。
ヘルスセンターに向かう道中に、サリンから、この計画はもしかしたら、失敗するのかもしれない。と聞かされた。

 

 

英語を聞き取れたかった不安だったので、もう一度聞き直した

 

 

「公立だから、看護師などのスタッフを政府が派遣してくれるけれど、ここは僻地すぎて、スタッフが継続して、来てくれるか分からない。」

 

 

「・・・・・」

 

 

究極に当たり前だけれど、人の命を救うのは、機械や建物ではなく、人だ。人がいなければ、いくら医療教育やハコモノを建設しても全く意味がない。むしろ、建設して一旦期待させた分だけ、現地にとって有害かもしれない。

 

 

ヘルスセンターの視察を3時間ほどで終え、2時間ほど車を走らせ、最寄りのホテルに到着した。

 

 

酸素、保育器、分娩台、抗生剤、ワクチンそのものが赤ちゃんの命を救うわけではない。

 

 

人が、適切な知識を持ち、その機械を適切に使って、初めて人の命を救う事ができる。
最終的に、病院建設は、政府と話し合いを重ね、持続可能性の可能性から、残念ながら、トモプオ郡病院建設計画はその後、頓挫した。

 

 

病院スタッフの問題という、大きな問題がのしかかった。

 

 

 

 

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看護師助産師の割合
人口1000人あたり、日本は11.2人に対して、カンボジアは0.95人
International Data & Economic analysis(IDEA)、

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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