葉田甲太 ブログ。

医師 NPOあおぞら代表 5万人の命を守るタンザニア病院建設まで。

マイナスからの再出発  2016年3月3~4日

 

 

 

 

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 一からの再出発。 2016年3月3日

 

 


明日、自分が亡くなるとしたら、自分は何をするだろう?

 

「医療の届きずらい地域に、医療を届ける事」

 


川原先生と出会い、自分に聞くと、やっぱり、そんな事が素直に昔から、自分が一番やりたかった事だった。

 

 

夢や目標をすぐ達成できるほど、世の中は甘くないし、1年努力したところで何も変わらないかもしれない。でも、きっと5年や10年単位なら、人は変われる。笑われても
馬鹿にされても、その間はグッとこらえて、進むしかない。

 

 

スーダンから帰国後、キャリアの観点から考えていた大学院進学を辞めて、なんとか社会人として力をつけようと、引き続き、まずは日本の僻地で引き続き臨床医として働いた。日本でできない事は海外でもできない。海外の僻地ではなく、まず日本の僻地でも少しでも力になれる様に働いた。

 

やりたい事をやるなんて、聞こえは良いけれど、それは時間もかかるし、リスクも全部背負って生きる事になる。それでもやりたい事があるかが、大切なんだろう。

 

 

いつしか、川原先生との出会いから、一年がたっていた。

 

 

 

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もう一度カンボジアへ 2016年3月4日

 

 

2016年3月4日、土日の休みがとれ、仕事の調整をして、一泊四日(二泊は機内泊)というよく分からない日程で、カンボジアを再訪する事になった。金曜日の仕事を終え、院長先生と当直の先生に申し送りをして、当時は北陸の僻地で働いていたので、私服に着替えて最寄りの駅に向かった。

 

 

 

週末にカンボジア渡航できるのは、金曜日に羽田からバンコクへの深夜便が大きい、時代は進んだ。昔はHISに電話して航空券をとっていたのが、今はアプリでカードがあれば取得できる様になった。

 

上越新幹線から、上野駅で山手線に乗り換えた。大学から上京したけれど、未だに東京の電車には慣れない。羽田空港に着き、マイルで取得したJALバンコク行き午前0時40分発のエコノミー便で、無理矢理仮眠をとりながら、バンコクに向かった

 

バンコクに同日の午前5時につき、機内でほとんど寝れず、頭がぼーっとなりながらバーガーキングを掻き込むという、おそらく健康には最悪な朝食を食べ、午前8時15分にカンボジアの首都プノンペンに向かう便に乗り換え、1時間15分ほどしたところで、土曜日の午前9時30分にカンボジアの首都プノンペンに着いた。

 

 

 

 

 

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空港を降りると、ガイドのブティさんが、出迎えにきてくれた。ブティさんは、カンボジアの小学校建設からお世話になっている、日本語と、英語、クメール語を話すガイドだ。

 


2011年、自費出版したカンボジアの小学校建設までを描いた「僕たちは世界を変えることができない。」は奇跡で東映より映画になった。向井理さん、松坂桃李さん、窪田正孝にも本人役で出演してくれた。

 

 


芸能界の事は未だにまったく分からないけれど、映画の打ち上げで、向井理さんや、松坂桃李さんに、ぶてぃさんが「彼女いるの?」と聴きまくっていたのは、流石に僕でも、まずい質問をしている様で、あせった。でもなんだか、その関係性が、僕にはうれしかった。

 

 

僕たちは世界を変えることができない。」映画化から5年もたった。人それぞれ色々あった様に、僕にも、いいことと悪い事が同じぐらい事があったけれど、時間がたち、映画の影響は落ち着いた。時に過大評価され、逆に苦しい時もあったけれど、あの映画や国際協力しよう!とかそんな難しい話じゃなく、カンボジアという国を好きになってもらった人が増えたりとか、好きな人になんかメールしてみようとか、そんな気持ちを持ってくれたら、ただ嬉しかった。

 

 

 

通訳兼ガイドのブティさんに挨拶をした後、時間も限られているので、早速車に乗り込み、首都のプノンペンから、小学校を建設したコンポントム州にあるBENG村を目指した。

 

空港から小学校へ行く間、車の窓から首都プノンペンにある高層ビルがみえた。

 

 


カンボジアは近年発展している。2016年のGDP成長率は7%(IMF WEO, 2016 Cambodia Socio-Economic Survey, National Bank of Cambodia)と高く、今では首都プノンペンでは巨大ショッピングモールのイオンも作られた。

 

 

建設した小学校への道も、以前はデコボコの土の道で、車酔いしながら7時間かかっていたのが、5号線が整備され、いまは3時間ほどで快適なドライブになった。車内で頭をそこら中にぶつけなくて良くなった。

 

 

1時間ほどすると、車はプノンペンをぬけて、よく見るカンボジアの長閑な田園と、ヤシの木と、どこまでも青いあおぞらが広がっていた。

 

 

僕は、カンボジアという国と、この景色と、人が好きだ。支援とかそんな事の前に、この国のこの人たちと、この景色が、小学校建設という経験を通して、僕は好きになった。

 

 

世界平和とか、そんな崇高な思想はなく、ただ出会った人に対して、笑顔にできたら。なんか嬉しいなと10年間今まで続けてきただけだった。

 

 

子供たちは元気だろうか。あのお母さんはどうしているだろうか。

 

 

ほとんど、飛行機で寝られなかったけど、一年以上ぶりのカンボジアで、なんだか興奮して、昼寝もできそうになかった。

 

 

 

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カンボジア基本データ。
通称 カンボジア
正式名称 The Kingdom of the Cambodia 

面積 約18.1万平方キロメートル (日本の約2分の1)
言語 クメール語 英語
国王 ノロドム・シハモニ
首相 フン・セン
日本との時差:-2時間

一人当たりの国民総所得  1390ドル(2017年 IMF推定値)
平均余命 69.4歳(2018年 WHO世界保健統計)
成人の識字率  80.0%(UNICEF 世界子供白書2017)
乳児死亡率  26人/1000人(UNICEF 世界子供白書2017)
5歳未満の死亡率(UNICEF 世界子供白書2017)
妊婦死亡率 170人/出生10万人あたり(UNICEF 世界子供白書2017)

 

 

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まとめ:迷ったら、笑われても、まっすぐに。

 

 

 

 

 

「僕たちはヒーローになれなかった。」

 

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向井理さん推薦!


~献身(ボランティア)とは何か
愚直に自分と向き合う医師の現在進行形の物語~

 

 

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映画化以降の8年間の苦悩、悔しさ、涙、仲間の大切さ、出会い、自分の幸せ、収入やキャリア、夢や目標の叶え方、なぜ僕たちは働いているのか?色々なものを詰め込みました。

 

 

NPO法人あおぞらを通じて、印税をタンザニア新病院プロジェクト、ラオスの新生児蘇生法講習会、カンボジアのサンブール保健センター継続支援、グラフィス小学校栄養指導、検診活動等に使わせていただきます。

 

 

医師  NPO法人あおぞら 理事長
葉田甲太

 

 

 

 

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