16歳で学校に行けなくなったあなたと僕へ。東京イベント終了。
昨日、東京で「僕たちはヒーローになれなかった」出版記念のイベントがあった。
設営でアタフタしながら、なんとか開場し、先に税所 篤快(特例認定NPO法人 e-Education創業者)君にご講演頂いた。
税所くんの講演をはじめて、拝見したんだけど、まぁすごかった。
次から次へと、行動に起こしてそれを実現していく。
そして、25歳までの事、それからの事、その悩みを等身大で語ってくれた、その姿になんだか、税所くんの事がもっと好きになった。
余計なお世話かもしれないけれど、税所くんも色々考えている。
僕も30歳の時に、散々悩んだ。
30歳前後は、そんな時期なのかもしれない。
良い時は、たくさんの人が来る。
悪い時は、多くの人が離れていく。
けれど、その中でも、離れない人がいる。
色々な方に感謝しているけれど、その時にそばにいてくれた人は、本当に感謝している。
だから、僕は、税所くんと講演がしたかった。
良い時じゃなくて、悪い時に、側にいる人間になりたい。
税所くんは、これからも何かをする人だ、それは大小に関わらず、きっと誰かを笑顔にしてくれると、僕は今も思う。
続いて、僕の講演の番になった。
相変わらずだった様に思う、その場その場で思いつく言葉を話した。
ただ一つ違ったのは、中村哲先生へ黙祷を捧げて、中村先生のほんの一部の意思を
誰かに伝えていこうと思った事だった。
アフタートークでは、この日のために、愛媛から講演のために来てくれた方がいた。
ちょっと、個人情報もあるから、事実を少し変えるけれど。
家庭内で暴力があり、中学に行けなくなり、愛媛を飛び出し、関東でマックの790円のバイトをしながら
シェアハウスで暮らしている16歳の男の子がいた。
打ち上げで一緒にウーロン茶をすこし一緒に飲みながら、自分の高校時代を思い出した。
僕は高校時代、友達が一人もいなかった。
今思えば、僕がほとんど、悪かったんだけど、関西学院という大学までエレベーター式の学校で、医学部を目指していた僕は、なぜか周囲となじめなかった。
休み時間は、いつもヘッドホンをして、音楽を聴いて
フロイトとか、アランとか、ラッセルとか、中島らもとか、ウィリアム・バロウズとか、カフカとか、サリンジャーを分かった様な気になって読んでいた。
高校生時代は、めんどくさい、からみたくないやつMAXだった。
別に誰のせいでもなく、当時の自分のせいなんだけど、当時は自分なりに辛かった。
誰も友達がいない高校生活は、いつも空を見上げて、音楽を聴いて、監獄にいる様だった。
高校をやめるわけにもいかず、鳥かごの中で生活している様だった。
時々お腹が痛くなった。学校も休みがちになって、具体的な数字は覚えてないけれど、50日ぐらい年間休んで、内申書もたしか、2.4だった。
医大生時代に仲良かった、佐野ちゃんにその話を言っても信じてくれなかった。
医学部に入学する人はほとんど、内申書は4以上ある。
「いや、医学部入ったのに、内申書2.4はないw」と信じてもらえなかった。
おかげで、自分のせいだけど、入試の時にだいぶ苦労した。
その時、高校の先生に言われた一言が、僕は強烈に覚えている。
「葉田な、おまえ学校よく休むけど、世の中いったら、社会人になったなら、今の何倍も辛い事あるからな。」
高校生だった、僕は、世の中が地獄に思えた。
誰も友達がいない、学校でもほぼ空気の様におしだまり、1秒1秒過ぎていくのを祈る様な気持ちだった僕は、大人になる事が恐怖になった。
でも、出版イベントで、昨日であった16歳に伝えたい事が、あった。
自費出版した時に、何度も何度も怒られながら、書店員さんに頭を下げた。
カンボジアの小学校建設の時に、偽善者とののしられた。
医師国家試験の勉強しながら、ドキュメンタリーつくって、全ての時間をつかって本を書いた。
地域医療で火曜日と木曜日しか家に帰れず、週100時間以上働いた事があった。
40時間以上一睡もできず、フラフラになりながら、働いた時があった。
タンザニアの新病院プロジェクトで、圧倒的な仕事量で、夜ほどんど寝れない時があった。
どれも、大人になりしんどかったけれど、高校時代の悩みや、苦しさに比べたら、明らかに楽だった。
逃げ場所もない、居場所ない、光も見えない苦しさに比べれば、社会人になって身体的には色々辛かったけれど、あの時の比べると楽だった。
悩んで悩んで、学校を辞めた16歳の男の子がいた。
今なら、言える気がする。
社会人の方が、学生より苦労しているだなんて、言い切る事はできない。
そんな事を彼に伝えると、彼は言った。
少年「地元で、中高生のためにプログラミングを教えたい」
葉田「おー、それいつにする?」
少年「・・・・・うーん、じゃあ二月で」
葉田「五月に愛媛で講演があるから、その時に、じゃあどうなったから聞くからね!」
その後、少しだけ彼の目標をかなえるために、どうすればいいか一緒に考えた。
関西学院高等部だった16歳の僕が、今の自分をみたら、どう思うだろうか。
大学で友人がたくさんできた、
NPOをつくった、本を3冊書いた、医師となり診療させて頂いた。本が映画になった。ドキュメンタリー映画をつくった、アフリカに支援を開始した。
今の僕は当時からしたら、信じられない場所にいる。
1日頑張っても何も変わらないかもしれない、。
1年頑張っても何も変わらないかもしれない。
だけど、5年頑張れば、きっと人生を大逆転できる時がある。
今では考えられない場所にいけるかもしれない。
だから、僕は彼を応援する。
学校辞めた事に対して、色々言う人がいるかもしれない。
99%の人が笑ったとしても、僕は彼の未来を信じたい。
時間をかければ、今からは考えられない場所に行けるかもしれないから。
頑張れ、負けるな。
またどうしたらいいか一緒に考えよう。
なんだか、話が重たくなってしまった。どこにも言ってない話を書いてしまった。
明日からもうちょいライトなやつを書きたいと思います。
協力頂いたすべての方々ありがとうございました!
『僕たちはヒーローになれなかった。』
目標10万部!出版記念 47都道府県全国ツアー 第1弾
葉田甲太(医師 NPO法人あおぞら代表)× 税所 篤快(特例認定NPO法人 e-Education創業者)
ー大人になった僕たちの今。 国際協力×本出版ー
日時:12月6日(金)18時30分~20時30分
場所:東京・入谷
SOOO dramatic!(ソードラマチック)
http://sooo-dramatic.com/
ポスターカード・写真提供:NPO法人あおぞら理事中西貴大
47都道府県「僕たちはヒーローになれなかった」出版ツアーメンバー:寺村 ひろか
当日スタッフ:鈴木さえみ 吉盛絵里加 大竹恵実
Thanks: 税所くん 来場者のみなさま
向井理さん推薦!
~献身(ボランティア)とは何か
愚直に自分と向き合う医師の現在進行形の物語~
映画化以降の8年間の苦悩、悔しさ、涙、仲間の大切さ、出会い、自分の幸せ、収入やキャリア、夢や目標の叶え方、なぜ僕たちは働いているのか?色々なものを詰め込みました。
NPO法人あおぞらを通じて、印税をタンザニア新病院プロジェクト、ラオスの新生児蘇生法講習会、カンボジアのサンブール保健センター継続支援、グラフィス小学校栄養指導、検診活動等に使わせていただきます。