セカイの果ての物語。

 医師 『僕たちは世界を変えることができない。』   スーダン→ラオス→カンボジア→地域医療→長崎熱帯医学→離島医療→カンボジア病院建設

【スーダン国際医療④】 肩書きと年収より大切な事。

 

スーダンでは夜中でも30度を超えるため、その対策として、ズボンとTシャツ脱ぎ、掛け布団をかけず、ほぼ半裸の状態で、ベットに寝る事にした。

 

NPOロシナンテスのスタッフの方が入ってきたら、かなり気まずい事になるが、睡眠には勝てないと思い、対策の結果、なんとか3時間は寝る事ができた。 

 

 

今日は、川原先生が、医療支援をしていた、シェリフ・ハサバッラに行くことになっている。

シェリフ・ハサバッラ村までは片道7時間かかるそうで、午前5時に、首都ハルツームにあるNPOロシナンテスの事務所を出発する。

 

 

乗車メンバーは、川原先生と、ご子息の健太郎くんと、その先輩である銅治くん

、小説家志望の片桐くん、ロシナンテスの事業の一環で日本の高校に留学していたフセイン君と、ロシナンテスのスタッフの方と、なかなかみんなの共通点が見いだせないけれど、それぞれキャラの濃いメンバーで向かっていた。

 

 

 

1時間ほどで、首都であるハルツームをでると、やはり景色は一変する。

近代的な建物は何もなく、見渡す限り、砂漠が広がっている。

 

  

 

合計7時間、デコボコの道を車を走らせると、スーダンの東部にあるガダーレフ州のシェリフ・ハサバッラ村についた。

 

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川原先生が書かれた「行くぞ!ロシナンテス」を参考にすると

人口は、およそ、3000人。元々遊牧民であった部族が、30-40年前に、この地に定着し、ヤギ、ヒツジ、ラクダの牧畜と、雨季には換金作物のゴム等をつくっていたそうだった。 2007年2月、医療従事者がいなかったこの村で、州知事の要請を受けて、川原さんはこの村に寝泊りをして、一人で診療しながら、支援を開始した。

当時にも、井戸はあったそうだが、パイプや貯水タンクの積年の汚れで、水質が、悪く、故障する事もしばしばあり、川から直接、水をのむ村人が多かったそうだ。

川の水を利用する事によって、慢性の下痢症、感染症が引き起こされていた。

 

 

 

 

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そこで、ロシナンテスは、井戸の支援を開始した。この時に、全部がこちらがタダで与えると依存型の支援になってしまうため、管理委員会をつくり、修理費などの徴収も住民主体で、建設をスタートした。

 

 

世界でみると、子供の全体の死者数は下がっているが、2015 年には、未だに推定590 万人の子どもたちの大半が、肺炎・下痢・マラリア等の容易にかつ安価で予防・治療できる疾病で5 歳になる前に命を失っている。

世界児童白書2016年

 

 

 

 

きれいな水は、どんな医療にも勝る。

 

 

 

 

 

 

 

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そして、川から水をくんでくるのは、基本的には女の子の仕事である、その組んだ水を煮沸したり料理に使うため薪を集める学校に行くことができなくなる。

井戸をつくる事により、女の子が、教育を受けられる可能性が高くなる。

女の子が初等教育をうけると、将来その子供が5年間生き延びられる確率は40%以上も上がると言われる。

 

 

 

綺麗な水は、健康問題も、教育問題の解決にもつながる。

 

 

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支援を開始して、数年後もこうやって、住民主体で管理されているのは、すごい事だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、母子保健事業も行った。

 

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基本的に、スーダンでは出産する際、自宅でTBA(Traditional Birth Attendant)と呼ばれる医療教育を受けていない伝統的産婆が出産に立ち会うケースが多い。へその緒を、清潔でない竹の串で切断し臍帯炎(へその緒の炎症)を起こしたり、異常分娩を把握できなかったり、新生児死亡、妊産婦死亡につながると言われる。

世界で、出産した赤ちゃんの内、100万人が、その当日に亡くなる。

Lancet誌によれば、教育を受けた助産師の介助のもと、適切な処置を施せば、40%ほどの赤ちゃんの命を救えると言われている。

そして、国連が発表した2013年時点の世界で妊産婦死亡数はおよそ28万人もいる。

妊産婦を乗せたジャンボジェット機が、毎日2機墜落している計算になる。

 

 

ロシナンテスは妊婦検診、教育を受けた助産師の介助の出産を促進し、2012年にはこの村で妊産婦死亡ゼロを達成した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、優秀な助産師をこれからも育てるために、教育事業として、学校も設立した。

教育を受けることにより、所得の増加、貧困の減少、健康状態の改善につなが

る。

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教育を受ければ、仕事を得やすくなる。 教育を受けることにより、子どもの栄養バランスや、病気を防ぐためのワクチンの摂取などに 意識が高くなる可能性もある。

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質の高い教育には、世代を超えて繰り返される不公平性のサイクルを断ち切り、子どもたちの生活と彼らを取り巻く社会を改善する力がある。

 

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見学すると、小学生がコーランを全力読んでいる。

イスラムの教えのもと、女の子と男の子は別々の様だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村を見学させて頂いていると、子供たちが集まってきて、もみくちゃにされた。

 

 

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きっと、川原先生は、見過ごすことが嫌だったんだと思う。

そして、そのお手伝いをする事にやりがいを、感じて、1000万円もの年収を捨てて、医務官という肩書きを捨てて、一人でこの村に乗り込み、何かできないのかと毎日毎日診療していたんだと思う。

東日本大震災でも、被災地に向かい支援を開始して、きっと目の前で、何か困っている人がいれば、その人に寄り添い、何かできないかと今まで進んできたのだ。

 

 

 

 

 

 

その後、村の近くを流れるナイル川をみにいった。

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その後、村長の家で、普段は食べられないという羊の肉を出してもらった。なんだが、悪い気持ちになりながら、食べた。

 

食事の後、室内は暑いからとの事で、みんなのベットで外に運んで、文字通り外で寝ることになった。

 

 

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みんなと、今日見た事を話しながら、やがて空は暗くなっていった。

 

街灯がなく、何も見えない暗闇が広がっていった。 

 

上を向くと、ダイヤモンドを全体に散りばめた様な星空が広がっていた。

 

 

気持ちいい風に揺られながら、段々と眠りに落ちていった。 

 

 

 

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